
Terri Gonzalez / Treat Yourself To My Love
80年代初頭NYクラブの洗練と温度を刻んだ都会派Boogie
エレガントに揺らめき、深夜のフロアを静かに照らす都会派Boogie。1981年にリリースされた Terri Gonzalez / Treat Yourself To My Love は、80年代初頭のニューヨーク・クラブシーンが持っていた洗練と温度感を、そのまま12インチの溝に刻み込んだような1枚です。派手さよりも空気感を大切にしたサウンドで、針を落とした瞬間から自然と身体の力が抜けていくような心地よさがありますね。
Crown Heights Affairチームが支えた完成度の高いプロダクション
プロデュースとソングライティングには Crown Heights Affair の中心人物である Ray Reid、William Anderson、そして“Muki”こと Arnold Wilson が参加。彼ららしいタイトで都会的なアレンジを軸に、Terri Gonzalez の透明感あるヴォーカルが柔らかくレイヤーされていく構成で、アルバム未収録曲とは思えないホド完成度の高いサウンドに仕上がっています。Crown Heights Affair周辺特有の、洗練されつつも温かみを失わない質感が全編を包み込んでいますね。
ミッドテンポでじわりと効くエレガントなグルーヴ
針を落とすと、まず耳に飛び込んでくるのは、ゆったりとしたミッドテンポのリズムと軽やかに波打つキーボードワーク…そこに静かに爪弾かれるギターが重なり、フロアでもリスニングでも抜群の「抜けの良さ」を感じさせてくれます。イントロから曲が進むにつれ音のレイヤーが少しずつ増えていき、7分という長尺の中でエレガントに展開していく構成は、Crown Heights Affairチームのプロダクション・センスが存分に発揮された仕上がりですね。
Terri Gonzalezのヴォーカルが描く優しい余韻
Terri Gonzalez といえば、Patrick Adams プロデュースによる Inner Life / I'm Caught Up (In A One Night Love Affair) のソングライターとして知られる存在であり、1980年には自身名義で同曲をセルフカバー。その12インチが現在も世界中のDJに愛されるクラシックであることは言うまでもありません。本作 Treat Yourself To My Love はその翌年にリリースされた楽曲で、彼女のヴォーカリストとしての魅力がより前面に出ています。特にサビでフワリと抜けていく声質は、ドコか切なさを帯びながらも柔らかく、Boogie Disco特有の浮遊感と見事に溶け合っていますね。
深夜帯に映えるスムースなクラブ・チューン
リリックのテーマは「自分の心を大切にするコト」や「本物の愛を受け取る準備をしよう」といった、優しく包み込むようなメッセージ。激しさではなく、温かさや寄り添うムードで魅了するタイプのラブソングで、1981年当時のNYラジオやアーバン系DJたちが好んでオンエアしていた理由も自然と理解できます。ブレイクではベースと鍵盤の掛け合いが静かに空間を広げ、後半に向けてのグルーヴをスムースに引き上げていく…派手なピークを作らない代わりに、ジワジワと体を揺らす質感が魅力で、深夜帯のフロアや終盤のスムース・タイムにぴったりのサウンドです。US盤オリジナル12インチとなる本盤は、現代のBoogie/Modern Soulリスナーにも刺さる隠れた名作で、針を落とせば80s初期NYの空気に自然と引き込まれてしまうハズっ!
1981リリース



























